『高卒認定を取得して次のステップへ!』習志野市36歳男性利用者さんの声

イ:まずは自己紹介と現在の状況からお願いします。

声:習志野市に住んでいて、現在、ふなサポの担当キャリアコンサルタント(以下・キャリコン)の方のサポートを受けながらお仕事を探している最中です。それと、ちょうど今年(令和3年)の11月に受けた高卒認定※1を取得したばかりです。

イ:高卒認定取得はふなサポの学び直し支援※2を利用されたのですか?

声:はい今年(令和3年)の1月から学び直し支援でI先生から高卒認定の勉強を教えてもらうようになりました。毎週木曜日、苦手な数学メインで教えてもらっていました。

―今回のインタビューは学び直し支援担当のI先生にもインタビュー同席してもらいました―

イ:I先生(以下・先)、声さんを教えていた中での印象を教えてください。

先:まずは毎週木曜日の学び直しのある日に毎回きているのが素晴らしかったです。なので、自分としてもなんとか受からせてあげたいと思っていました。

イ:高卒認定の詳細はまた後程お聞きするとして、ふなサポ利用のキッカケを教えてください。

声:高校時代に通学に時間が掛かる等の理由によって退学したのですが、そこから20歳過ぎたころから今に至るまで治療中の椎間板ヘルニアと、6年前から患った糖尿病で服薬などの治療もあって、数年前の私はひきこもり気味でした。そんな自分を心配して、母親が市役所の相談窓口にいったら、市の訪問支援※3を受けることになりました。もともと人と話すのは嫌いじゃなかったので、訪問してくれてありがたかったです。担当者が訪問するようになって半年ぐらいの頃に、その方からふなばしサポステを紹介されました。

イ:ふなサポを利用するにあたって、なにか不安などはありましたか?

声:不安はなかったです。むしろ色々な人と話せるという方が大きかったです。ひきこもり気味の時は話す相手がいなかったので。ふなサポの説明と顔合わせ的な面談の後、その日のうちに担当キャリコンがつきました。キャリコンとの面談は月1回のペースで今も継続中です。その中で、アルバイトの話しや今後の方向性などを相談しています。

イ:それでは、ふなサポを利用していく中で、役に立った支援内容や関わりを教えて下さい。

声:学び直し支援は勿論ですが、ひきこもり気味だったということもあって、人と関われるセミナーの参加が良かったです。担当キャリコンとの最初の面談でもそんな自分の思いがあったからか、直ぐにセミナー参加を促されました。

イ:印象に残っているセミナーを教えてください。

声:ボランティア活動でいったギョウザ販売※4ですね。そこで顔なじみのふなサポ利用者さんも出来ました。あとはPC関連の講座も学びになりました。今はまだ求職中なのでそこで学んだことを活かしきれていないですが。

イ:そこから高卒認定を受けようと思った経緯を教えてください。

声:ふなサポには繋がって様々なセミナーには参加したのですが、持病などの理由もあってなかなか次のステップに進めない中で新型コロナウイルス感染症も発生して活動にも制限がある状況でした。そんな時に、担当キャリコンとの面談の中で、ふなサポの学び直し支援参加と高卒認定試験のチャレンジを提案されました。それまでの面談でもちょくちょく話しには出ていて踏ん切りがつかなかったのですが、今年もコロナの影響がありそうなのでせっかくだから受けてみようかな、といいう気持ちでチャレンジすることにしました。

イ:コロナ禍という状況を活かしたのですね。学び直し支援やどんな勉強をしたかをもう少し詳しく教えてください。

声:今年(令和3年)の1月から毎週木曜日に学び直し支援に参加して、I先生には数学メインで英語も教わっていました。それ以外の科目は主に教科書を読んだりYouTubeの各教科解説動画を視聴したりして学びましたが、毎週1回の学び直し支援の中でI先生に高卒認定試験対策の相談もしました。試験は8科目合格する必要があるのですが、今年8月の試験は自信がなかったのでスルーして、11月の試験を受けました。

イ:高卒認定試験の科目はまとめて受けないでも大丈夫ですよね。8月に自信のある科目だけ受けて、11月にそれ以外の科目を受けるという選択肢もあったのでは?

声:自分の中で、どうせ受けるなら一回の試験でまとめて合格したいという気持ちがあったんですよね。

イ:そして実際、11月の試験は一発合格というのは本当に凄いです!

声:1~2科目は合格点ギリギリかなというものもありましたが、数学は高卒認定試験の自己採点で100点中90点取ることができました。ちなみに数学は学び直し支援でI先生に教わる以外は家でまったくやりませんでした。

イ:I先生の方で学び直し支援で心掛けていることなどはありますか。

先:学び直しを通じて、勉強以外にもひとつでも多くの気付きができればと意識しています。そしてその気付きが後々役立つものや自信になって就職活動の後押しになるといいなと思っています。

イ:高卒認定試験に合格してみて心境の変化などありますか?

声:合格したという実感がまだあまりないんですよね。というのも、自分ではあまり勉強していないイメージなんです。毎週の学び直し支援以外はそこまで勉強していなかったですし、試験の一ヶ月前でも2~3時間程度しか勉強していなかったぐらいです。

イ:一ヶ月間毎日2~3時間というのは素晴らしい努力だと思いますよ。それに今後の就職活動の幅も広がってきますよね。最後に、高卒認定試験を受けることに躊躇している方や、まだふなサポへの『さいしょの一歩』を踏み出せていない方や対してメッセージをお願いします。

声:高卒認定に関しては、気楽でいいということですね。自分も最初は合格点はもっと高いと思っていたのですが、100点満点中40点を取ればいいんです。ふなサポに関しては、無理やり来るものではないですが、自分の場合はいってみないとなにも変わらなかったし、そこで繋がりができました。なので、変化を求めている方はとりあえず来てください。特別、楽しい場所ではないですが(笑)、なにかのキッカケにはなると思います。

イ:I先生からも、学び直し支援について最後に一言お願いします。

先:中学も内容がわからなくても大丈夫です。声さんもおっしゃっていましたが、100点を取らなくてもいいんです。それと、勉強できる環境も大切だと思います。家で勉強すると色々と誘惑もある中で、こうして集中して学べる環境があるのは大きいと思います。

(令和3年11月インタビュー実施)


【注釈】

※1:高等学校卒業程度認定試験。文部科学省が実施する、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があるかどうかを認定するための試験。平成17年に大学入学資格検定(大検)から名称変更。

※2:学び直し支援。中卒者や高校中退者を対象にした高卒資格取得を目指した学習支援。市町村独自事業の為、県内サポステの内、実施しているのは令和4年度時点ではふなサポのみ。

※3:習志野市ひきこもりピアサポーター訪問事業。

※4:ボランティア活動:ふなサポでは職場体験の一環として各種ボランティア活動を実施。インタビュー内の高齢者施設ギョウザ販売は、準備段階から調理まで、利用者さんメインで実施していた。(現在はコロナ等の影響もありSTOPしている)