『家事と競馬場通いから学んだこと』船橋市33歳男性利用者さんの声

イ:まずは自己紹介と現在の状況からお願いします。

声:ふなサポの近くに住んでおり、自転車でも行けるぐらいです。今はスーパーの水産部門でアルバイトとして週4日8時から16時まで働いています。 具体的な仕事内容は、魚介類をトレーに詰めたり品出ししたり、鮮魚をさばいたりもします。

イ:とても重要な業務を任されているのですね。

声:水産部門は職人気質の方が多く、自分なんかまだまだです。

イ:ふなサポを利用するまでの経緯を教えて下さい。

声:中学2年生の終わりにふとしたきっかけで不登校になりました。その後、ひきこもりながらラジオやゲーム、野球中継の観戦を楽しんでいました。ただ、中学3年の時に母が家を出て以来ずっと父と二人暮らしを続けていて、掃除と洗濯、夕食づくりは自分の役割だったので結構忙しかったです。ちなみに母とは今も頻繁に交流があります。そんな感じでふなサポを利用する前はひきこもり気味でした。ただ、外出や家事をしていたのでニート状態といったほうがいいかもしれません。こんな事をこの場でいうと叱られそうですが、ニートをしていた時は楽しかったんです(笑)当時は競馬場にちょくちょく通っていたのですが、そこそこやれていました。父と同居していた事もあって生活はそこまで困っていませんでした。こんなことふなサポのwebサイトに載せられませんよね(笑)

イ:いやいや、利用者さん達の実際の声を集めるというのが目的ですし、そういった生の声こそ、利用を迷っている方には響くと思います! ちなみに家事は立派なお仕事のひとつですよね。競馬でもそこそこやれていた状況で、ふなサポを利用しようと思ったきっかけはなんでしょう?

声:そういった生活は楽しかったのですが、徐々に飽きてきました。そんな中、2018年頃に父親が船橋市の相談窓口に自分(声さん)の今の状況を相談しにいった時にたまたま、ふなサポの心理カウンセラーが近くにいてふなサポの説明を受けました。父親を通じてふなサポの存在を知り、やってみるかなという軽い気持ちで予約しました。

イ:ふなサポを利用するにあたって、なにか不安などはありましたか?

声:正直、深く考えてなかったので不安はなかったです。ただ、口下手でシャイな性格なので、集団で過ごすのは大変かなとは思いました。1日目は心理カウンセラーの初回相談で今の状況等を聞かれて、次の日からさっそくパソコン講座に参加してみました。パソコン講座は参加者も多かったのですが、その講座は集団作業もなくPCに向かって黙々と学べたので楽しかったです。それで、ふなサポとの関わりを続けてみようと思いました。

イ:ふなサポを利用していく中で、お仕事をする上で役に立った支援内容や関わりを教えて下さい。

声:自己理解講座は役に立ちました。そこで自分を掘り下げて、あらためてルーズな性格だと分かりました。それと、学び直し支援※1を半年近く続けました。やはり中卒だと仕事の幅が狭まるし嫌だなという気持ちと、当時はまだ働くことを躊躇していました。その結果、昨年8月に高卒認定試験※2を受け、一発で全科目合格することが出来ました。

イ:一発全科目合格は凄いですね!学び直し支援の詳細と、今のお仕事に就くまでのステップを教えて下さい。

声:高認は合格させる試験なのでいけますよ。それに、学び直し支援の担当スタッフの教え方が上手かったんだと思います。自分は板書が苦手だったのですが、例えば数学の解法や要点を担当スタッフの先生が毎回とても綺麗にまとめてくれたのがとても助かりました。高認の勉強中も派遣登録して週1から2日で倉庫内作業を続けていました。でも高卒認定取得をきっかけに短期ですが倉庫内作業を週4日8時間でやってみました。週4日でも思ったより働けたな、という中で、現在働いているスーパーでアルバイトを募集しているという話しがサポステの担当相談員経由で入り、とりあえずやってみるかという気持ちで面接をしました。そのスーパーはふなサポとも連携している所だったので面談も堅苦しい雰囲気はなく、今年の6月末から、まずは週4日4時間からスタートして、今に至っています。

イ:声さんの、職場からの評価がとても高いというのはふなサポスタッフにも伝わっています。なんでも正社員の依頼も受けているとか。

声:実際に、この前採用試験を受け、無事合格しました。もうすぐ正社員になるので頑張りたいです。

イ:水産部門という事で、長年、夕食を調理していたという経験が活きているのではないでしょうか?声さんの事で印象的だったのは、利用開始されて間もない頃、ふなサポ職業体験として高齢者施設でのギョウザ販売ボランティア活動※3を皆でおこなった時、声さんがギョウザ調理をとても上手にこなしている姿です。当初から、調理系のお仕事なら直ぐにでも働けるのでは、と感じていました。

声:父の分も含めた夕食作りは今も続けています。料理は買い出しも必要ですし、和洋中なんでも調べて作っていたので、今から思うとそういった経験が役立っていたのかもしれません。でも、最初から水産部門を希望していた訳ではなく、面接官から希望の部署を聞かれた時になんとなく答えただけなんです。役だったといえば、ニート気味だった頃の競馬場通いで個性的な人たちを見てきたのも役に立っているかもしれません。

イ:今後、こうなっていたいという希望や夢があったら聞かせて下さい。

声:今の希望は正社員として一人前になることです。

イ:最後に、まだふなサポへの『さいしょの一歩』を踏み出せていない方に対してメッセージをお願いします。

声:まずはあんまり深く考えないで、ラジオでも聴く感じで気軽に来てみてはどうでしょう?参加して合わないセミナーは無理に出る必要ないし、なんだったら最初は暇つぶし感覚でもいいかも。ひきこもり気味だった人の場合は、最初は多くの人が集まる場に行くのは緊張するかもしれないですが、相手は自分の事をあんまり意識していないです。これは、沢山の人が集まる競馬場で学んだことです。

(令和2年10月インタビュー実施)



【注釈】

※1:学び直し支援。中卒者や高校中退者を対象にした高卒資格取得を目指した学習支援。市町村独自事業の為、県内サポステの内、実施しているのは令和2年度時点ではふなサポのみ。

※2:高等学校卒業程度認定試験。文部科学省が実施する、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があるかどうかを認定するための試験。平成17年に大学入学資格検定(大検)から名称変更。

※3:ボランティア活動:ふなサポでは職場体験の一環として各種ボランティア活動を実施。インタビュー内の高齢者施設ギョウザ販売は、準備段階から調理まで、利用者さんメインで実施している。