『やりたいことと出来ることを探していって辿りついた介護業界』船橋市31歳女性利用者さんの声

イ:まずは自己紹介と現在の状況からお願いします。

声:船橋市に住んでいます。ふなサポでの就労支援がきっかけで高齢者介護のグループホームに週3日8時間勤務を1年半ほど勤めていたのですが、今年の8月に退職しました。今は再びふなサポ担当者と相談しながら次のステップを考え中です。

イ:それでは、まずはふなサポを利用するまでの経緯を教えて下さい。

声:高校時に就活に失敗したまま卒業をむかえたのですが、急いで働かなくてもOK、と思って3~4年ダラダラと就職活動をしていました。実際に募集した求人も1年間で片手ほど、なかなか決まりませんでした。そういった姿を見かねてか、同居している祖母が「ふなサポという所があるよ」と教えてくれました。内心、なんで?ハローワークもあるし、そんな所いかなくても就職活動ぐらい自分でできるよ、という思いがありました。でも、いじわるで言っている訳じゃないのは分かっていたので、とりあえず1回行ってみました。でも、実際行ってみると同世代の人たちもいるし、就職に役立ちそうなセミナーもあったので、とりあえずは通ってみようかなと思いました。

イ:ふなサポを利用する前は、なにか悩みや不安はありましたか?

声:高校時代の友人と会って仕事を頑張っている様子をみると自分はなんなんだろうな……と引け目を感じてしまい、そのうち、友人たちに食事に誘われても堂々と会えなくなってしましました。それに、なかなかお仕事が決まらず家族に申し訳ないな、という気持ちもありました。

イ:ふなサポには同世代で求職中の方が多くいるので、参加するにあたって引け目を感じることはないかもしれません。そんなふなサポを利用してみて、役に立った支援プログラムや関わりはありましたか?

声:履歴書の作り方講座などの実践的なセミナーですね。※1今までは自己流で作っていたのですが、特に志望動機欄の文章はまとまりがなかったなと思います。応募先によって書き方をかえたり、という実践的な学びがとても参考になりました。それと、今から思うとふなサポに通う前はばくぜんと就職活動をしていたなと思いました。求人みていいな、と思ったもの、それこそ美容系の仕事や飲食業界、雑貨屋もいいなと応募していました。でも、当時の自分は憧れと出来るかどうかは別なんだと分かっていなかったと思います。ふなサポのセミナーや面談を通じて、興味があってやれそうな分野が徐々に絞れてきました。あとは、支援プログラムではないんですが、ほかの利用者さんと話す機会は大切な時間でした。様々な利用者さんがいる中で、初対面の人と話す練習にもなりますし、中には苦手なタイプだな……と感じる方もいましたが、そういった経験がお仕事でも役に立ちました。

イ:声さんがふなサポに来所されている時、顔なじみの利用者さんととても楽しそうに話されている姿が印象的です。そういった関わりの中で、高齢者介護施設に勤めるまでの経緯を教えてもらえますか?

声:はい。その為にもう少しふなサポでの関わりを言うと、自分ひとりだとどうしてもダラダラしてしまうので、しっかりと予定を固定していることが大切だと思っていたので週3日ふなサポに行ってセミナー等に参加すると決めていました。その後、もう少し慣れてくると、ふなサポの担当キャリコンさんからの勧めもあって更にもう1日ボランティア活動※2を始めました。ふなサポとも連携している障がい者支援施設のカフェで週1日3時間ほどのボランティアを半年間続けました。そのボランティア経験の中で、困っている人に関われるお仕事がいいかなと思い始めて介護に興味を持ちました。そこで、ふなサポで介護施設の職場体験※3に参加しました。母がホームヘルパーをやっていたので介護がどういったことをやるかは聞いてはいたのですが、実際に体験することでこれだったらやってみたいし、やれるのではないかと思いました。もともと人と話すことも話しを聴くこと好きだったので。そこから介護業界に絞って複数の施設を見学しました。最初に入った施設では介護補助として入ったのですが、シフトやペースが合わなくて3ヶ月で辞めました。でも、その後も介護施設の求人募集に応募を続けて、最初にお伝えした高齢者介護のグループホームに入職しました。早番の時は7時15分出勤なので5時起きだったりと大変な部分もありましたが、とっても楽しかったです。

イ:最初に入った介護施設が合わなかったにも関わらず、その後も介護業界を目指したのは声さんの強い意志を感じます。これも、職場体験の参加を通じてどういった仕事内容か理解していたからかもしれませんね。それでは近況と今後の希望はありますか。

声:今は担当キャリコンさんに相談しながら、介護施設の求人募集を見たり、介護施設だけの就職フェアに参加しています。退職した施設もとってもやりがいがあったのですが、グループホームは自立されている利用者さんが多くて、どうせなら今後の経験の為にも、もう少し介護度の高い利用者さんが集まる特養※4で働くことで経験を積みたいなという思いがありました。そういった経験を通じて、自分はどういった介護施設が向いているのか見極めていきたいなと考えています。なので、退職時に失業給付を貰える資格はあったのですが、直ぐに就職を決めたいという想いと、今後、資格取得する際に時間を取れるようにする為にも、今回は敢えて失業給付は貰いませんでした。考えている資格は、やはり実務者研修とその先の介護福祉士ですね。それと、今までは趣味の漫画やゲーム等の自分の時間を大切にしたいのでフルタイム勤務ではなかったのですが、いつかはフルタイムの正社員になりたいとい希望はあります。とはいってもプライベートな時間も大切にしたいので、今のところは自分のペースを見極めながら働き続けたいですね。

イ:プライベートと仕事のバランスはすべての人にとっての永遠のテーマかもしれませんね。最後に、まだふなサポへの『さいしょの一歩』を踏み出せていない方に対してメッセージをお願いします。

声:とりあえずやってみる、という事が大切なので、私のように、ふなサポに行こうか迷っている場合は、来てみなきゃ分からないこともあるので、まずは一度来てみる。合わなければ合わないでもう行かなければいいんですから。

(令和2年12月インタビュー実施)



【注釈】

※1:実践的なセミナー。ふなサポでは就職活動スキルをアップする為の「応募書類の書き方」や「面接対策」、「業界研究」等のセミナーを実施。詳細はふなサポwebサイト内の下記URL参照。
https://funasapo.jpn.org/seminor

※2:ボランティア活動。生活リズムを整えたりお仕事するための準備として、ふなサポでは複数の連携機関や船橋市や習志野市主催イベントへのボランティア参加を実施している。

※3:職場体験。連携企業の職場で実際に「はたらく」を体験。期間は1週間~3ヶ月、仕事内容は企業によって様々。詳細はふなサポwebサイト内の下記URL参照。
https://funasapo.jpn.org/shokuba

※4:特養。特別養護老人ホーム(通称:特養)は在宅での生活が困難になった、常時介護が必要な高齢者が入居する公的な「介護保険施設」のひとつ。